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浮気に関する法律基礎知識

浮気は、法律に触れる犯罪行為?

イメージ画像:浮気に関する法律基礎知識浮気をすると、法律に触れて犯罪者として逮捕されるのでしょうか?
そもそも「犯罪」とは、「刑法や特別刑法、などで刑事罰が定められて禁止されている行為」です。
刑法に違反すると、警察によって逮捕され、取り調べを受けることになり、罪が重ければ、検察によって起訴され、裁判にかけられたうえで有罪となれば罰金刑を課されたり、刑務所に入れられることもあります。
一方で日本の刑法には、浮気や不倫について書かれている条文はありません。特別刑法を探しても、不倫を犯罪として定めた条文はありません。従って、日本国内で浮気や不倫をしても、現時点では犯罪となることはありません。

浮気行為が犯罪行為でなければ「やったもの勝ち」になるのですか?

先に解説した通り、「浮気をしたとしても刑法で罰を受けること」はありません。
しかし、日本には刑法の他にも様々な法律があり、家族や夫婦に関する規定が書かれている法律を「民法」といいます。
この民法において、浮気(法律では不貞行為といいます)は離婚請求事由として定められています。
夫婦間のルール(結婚や離婚など)が定められている民法の770条には「夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる」と規定されていて、その第1番目の理由(離婚原因)として「配偶者に不貞な行為があったとき」と定められています。※他に、「配偶者から悪意で遺棄されたとき」「配偶者の生死が3年以上明らかでないとき」「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」の4項目が定められています。
民法でいう「不貞な行為」とは、配偶者以外の異性と性的な関係を持つことで、「浮気によって肉体関係を結ぶこと」をさします。
日本では、一夫一妻制を採用しており、配偶者以外の人物とは性的関係を持つべきではないとする「貞操義務」があるものとされています。
浮気は、この貞操義務に反する行為で、浮気が発覚した場合は、夫婦間の貞操義務に反する行為として、浮気をされた側から一方的に離婚を請求することができるとされているのです。

浮気をされると離婚することしか対抗策は無いのですか?

浮気は、民法において不法行為責任の対象となり、浮気をしたもの(浮気をした配偶者とその浮気相手)は、民法上の不法行為をした者として損害賠償責任の対象となります(民法709条、710条)。
不法行為とは、「他人の権利や利益を侵害する行為」で、例えば、交通事故で他人の車を傷つけた場合には、その車の修理費を支払う義務を負います。また、喧嘩によって他人をケガさせた場合には、その人の治療費を支払わなければいけません。
このように、他人の身体や所有物を傷つけた場合の責任のことを、「不法行為責任」と呼びます。
配偶者の浮気によって夫婦関係が崩壊した場合には、この不法行為に該当し、「配偶者の浮気によって、平穏に結婚生活を継続する権利が侵害された」という理由により不法行為責任に対して、浮気をされた側は、浮気をした配偶者とその浮気相手に対して、慰謝料(浮気の悪質性や婚姻期間、離婚の有無などにより変動しますが、50万円~500万円ほどが一般的なようです)を請求することができるとされています。
一般にこの慰謝料とは、「精神的苦痛を受けた人物が、その苦痛を慰謝するために受け取るお金」のことで、パートナーの浮気によって大きなショックを受けたとしても、時間を戻すことはできず、慰謝料というお金を受け取ることによって、その精神的な苦痛を軽減しようという考えに基づくものです。

※浮気の慰謝料についてはこちらでも詳しくご案内しています。

法律に基づいた対処に必要なこと

私達の暮らす日本は、「法治国家」です。
刑法に触れる犯罪行為は、捜査機関が捜査して犯罪の事実を暴き、裁判によって有罪無罪が問われます。つまり「法と証拠」に基づいて審理されるわけです。
一方で、上記の通り、浮気は刑法に触れる犯罪ではないので、夫婦間のルールを定めた民法によって裁かれることとなりますが、やはり同様に「法と証拠に基づく」必要があります。
法律(民法)では、不貞の行為があった者に対しては、「離婚の訴え」を提起したり、「慰謝料請求(損害賠償請求)」を起こすことができます。
しかし、「きっと浮気しているに違いない」「あの女(男)が浮気相手に違いない」と、証拠も無しにこれらの法的な対処ができるわけではありません。
たとえ裁判にならなかったとしても「確かな証拠」も無しにやみくもに争ったところで、「一方的な思い込みだ」「証拠もないままいい加減なことを言うな」などと反論され、ひどい場合には「脅迫行為で訴えます」「ひとを疑っている態度が嫌だ」「こんな状況では一緒にいたくない」と、訴えを起こす側が不利な状況をうんでしまうケースもあります。
このような事態になることを防ぐために、第三者である専門の調査員による「浮気調査(調査報告書)」が大きな役割を持つことになるのです。

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